家族・暴力・虐待の構図 読売新聞社2000円
日本弁護士会連合会
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児童虐待の歴史については、児童虐待という事実自体は古代からありますが、社会問題化したのは1960年代からです。それ以前のアメリカでのメアリー・エレン事件という虐待事件では、子どもに対する保護機関がなく、動物愛護協会しか対応する機関がなく、動物愛護の法律で対応せざるを得なかったことがありました。この児童虐待が広く知られるようになったのは、レントゲンなどの医術が発達したことによって肉眼で発見できない傷を検査できるようになり、ケンプという医者が被殴打児症候群の問題を発表したことに始まります。
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また、児童虐待について英米では、当初の「貧困が原因である」という経済的視点から、その後1960年代には、医療対象化・中流階級対象化し、「経済状況にかかわらず起こりうるのだ」という認識への転換が加速しました。また児童虐待を防止するセラピスト・医療が隆盛し、児童虐待を目的として医療が成り立っているとさえ評されるようになります。1980年代にはこれに応じて児童虐待の過剰通報が問題とされる時代を迎えました。
1990年代には、虚偽記憶症候群(子どもの頃に性的虐待を受けたという「虐待の記憶」を持ってしまう現象)に対抗する動き、すなわち誘導的なセラピーをきっかけにして、子供時代の虐待についての抑制された記憶を取り戻した、という申し立てを疑問視する運動を始めとするバックラッシュが、アメリカで生じています。このように反動の時代が1990年代にまいりました。