少年サバイバル・ノート 集英社新書680

 

著者:西山 明 にしやまあきら

1949年生まれ。

共同通信者記者。

教育、家族などの取材を長年にわたって続け、子どもや母親の目を通して、家族や社会の変容を探っている。「アダルト・チルドレン」という言葉を世に送り出すきっかけを作った。

 

P217

 家族は子どもが安全に育つ場である。子育てに必要な存在として、父親と母親が用意されている。育ったら、信じて手放す。家族には外から「風」を絶えず入れて、夫婦や親子の関係は冷ましておきたい。暴力が発生するなど困ったことがあったら、第三者に援助と介入を求める。無理を承知で作った近代の家族がもろくて弱いことを知れば、それは決して恥ずかしいことではないことが分かるだろう。そのために当然、各地に家族の援助・介入の公的なネットワークが必要になる。家族の中で一人だけが重い荷を背負って歩いてはいけない。しわ寄せを被るのは子どもである。