03/05/19 第3回社会保障審議会児童部会児童虐待の防止等に関する専門委員会議事録 社会保障審議会児童部会 第3回児童虐待の防止等に関する専門委員会 議事録 日時 平成15年5月19日(月)14:00〜16:30 場所 厚生労働省共用第7会議室 出席議員 柏女 霊峰 淑徳大学 社会学部 社会福祉学科 教授 津崎 哲郎 大阪市中央児童相談所長 松原 康雄 明治学院大学 社会学部 社会福祉学科 教授 青木 晋 東京家庭裁判所 判事 奥山 真紀子 国立成育医療センター こころの診療部長 加賀美 尤祥 日本社会事業大学 社会福祉学部 教授 川名 紀美 朝日新聞 論説委員 才村 純 日本子ども家庭総合研究所ソーシャルワーク研究担当部長 田中 康雄 国立精神・神経センター精神保健研究所 児童期精神保健室長 西澤 哲 大阪大学大学院 人間科学研究科 助教授 柳田 喜美子 日本医師会 常任理事 山田 和子 国立保健医療科学院 公衆衛生看護部 看護マネジメント室長 吉田 恒雄 駿河台大学 法学部 教授 次第 1.開会 2.各検討チームからの報告 ・虐待の発生予防に関する検討チーム ・虐待の早期発見・早期対応に関する検討チーム ・被虐待児に対する保護・支援等に関する検討チーム 3.意見交換 4.閉会 ○事務局 定刻となりましたので、ただいまより「社会保障審議会児童部会第3回児童虐待の防 止等に関する専門委員会」を開催させていただきます。 委員の皆様におかれましては、御多忙のところお集まりいただきましてありがとうご ざいます。 なお、本日の出席委員はお手元の座席表のとおりでございます。影山委員、佐藤委 員、高橋委員におかれましては御欠席との連絡をいただいております。 それから、本日お配りしている資料につきまして御確認いただきたいと思います。 資料1でございます。「児童虐待防止制度見直しの視点」という題名のペーパーでご ざいます。 資料2〜4につきまして、各検討チームの協議資料A3横表になっております。この 資料が付いております。 資料5〜7で、各検討チーム、これまでの協議概要報告、これが付いておりまして、 もし、漏れ等ございますようであれば係の者にお申し出ください。 それでは、以後の議事運営につきましては、柏女委員長にお願いいたしたいと思いま す、よろしくお願いします。 ○柏女委員長 皆さん、こんにちは。今日は足元の悪いところ、また、御遠方からもお集まりをいた だきまして、本当にありがとうございました。 今日は第3回目の委員会ということでございます。2回目が1月の29日でしたから、 ほぼ4か月ぐらい、この委員会としては間があいているわけでございますが、その間、 各3つのいわゆるワーキングチームで本当に精力的な御検討をいただきました。各チー ムの配属されました先生方には心より敬意を表したいというふうに思います。 私も事務局の方から、それぞれのグループのワーキングチームの検討状況等を伺って おりまして、今回、それぞれのチームの検討が一定の方向性を得たということで、今日 は全体にお集まりをいただきまして、それぞれのワーキングチームでの御報告をいただ き、そして、それぞれの3つのチームのチーム間協議といいましょうか、例えば、第1 の予防発見の方のチームの御意見に対して、それ以外の方々から意見を述べていただく というような形で、できましたら今日、全体としての一定の方向性というものを出して いきたいというふうに考えています。 まず、今日の議事の進め方ということでありますけれども、最初に各検討チームでの 御意見がございましたが、ばらばらに今までしておりましたので、その全体を流れる、 いわばこの見直しのワーキングチーム1、2、3を貫くだんごのくしといいましょう か。それにつきまして、つまり制度見直しに当たっての基本的な視点といいましょう か。それを事務局の方から御説明をいただきたいと思います。全体の流れは事務局の方 で、ワーキング1〜3までの流れをつかんでおります。私も少しそれに関わらせていた だきまして、今日、資料1のような案をつくらせていただきましたので、それをまず、 最初に御報告をさせていただこうと思います。 そして、その後、各検討チームでこれまで御議論をいただきました内容について、各 座長の方から15分ぐらいずつ御報告をいただければというふうに思います。 1〜3までの全体を御報告いただきまして、そしてその報告の内容を踏まえた上で、 それぞれの分野ごとに御議論をしていただこうと。そして、専門委員会としての方向性 を導き出していきたい。こんな流れで進めていければというふうに思います。4時半ま でという時間ですが、皆様の御協力をいただきまして、実りある議論を進めていきたい というふうに思います。 それでは、まず事務局の方から資料1「児童虐待防止制度見直しの視点」に基づきま して、簡潔に御報告をいただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○古川虐待防止対策室長 では、資料1につきまして御説明を申し上げます。「児童虐待防止制度見直しの視点 」という資料でございます。 今、柏女委員長からもお話がありましたとおり、役得といいますか、私ども事務局は 全ての議論を聞かせていただく機会に恵まれているわけでございまして、そうした意味 で全ての議論を踏まえまして、全体を大きくくくる共通する考え方としては、こういう ことになるのではないかということで整理をさせていただいたものでございます。 したがいまして、この副題も「−これまでの児童虐待の防止等に関する専門委員会に おける議論を踏まえて−」と書かせていただいたということでございます。 まず、1番でございますけれども、「子どもが健全に成長し、ひいては社会的自立に 至るまでを支援することを虐待防止対策の目標に置き、早期発見・対応のみならず発生 予防から虐待された子どもの自立に至るまで多様な関係機関による切れ目のない支援体 制のあり方を検討」と書かせていただきました。 虐待防止法が早期発見・対応の規定を中心にしているということを踏まえて、より幅 広く御議論をいただくという、12月のスタートの段階で確認をさせていただいたこと を、改めてここに書かせていただいたということでございます。 2番目でございますけれども、「児童虐待の特性(家庭(地域)内で発生、虐待と認 めない親が多いなど)に鑑み、その解決に向け、親の権利や個人のプライバシーには最 大限配慮しつつも幅広い関係機関が積極的に親・子のアプローチする形での新たな支援 のあり方を検討」と書かせていただきました。 3番でございますが、「家庭的な暖かい養育環境での生活が子どもの健全育成には望 ましいとの基本認識の下、また家族再統合を目指す方向で検討。この考え方も踏まえ、 子どもに対する支援はもとより親(含む里親)も含めた家族への支援という視点に立ち 検討。また、それが困難な場合であっても、できる限りそれに準じた生活環境の確保に 向け検討」と書かせていただきました。 4番でございますが、「児童虐待問題の解決に当たっては、地域、特に市町村におけ る取組みを強化する方向で検討。なお、その際にあっては県(児童相談所)との協力関 係の確保に特段の配慮が必要」と書かせていただきました。 これは、各チームで共通する話として市町村の役割の重要性が指摘をされているとい うことも踏まえまして、このように書かせていただいたということでございます。 以上でございます。 ○柏女委員長 ありがとうございます。 これまでの議論の基本的な視点として4つの方向から整理をしていただきました。予 防から自立支援に至るまでの切れ目のない支援ということ。それから、その切れ目のな い支援を考えていくために、幅広い関係機関の協力のもとでやっていこうと。そして、 子どもの保護だけではなく、家族への支援ということを考えていこうではないか。そし て、それらを実現していくためには地域での取り組みが大切になることから、市町村の 取り組みを強化していこうではないか。けれども、勿論専門機関としての児童相談所と の連携強化ということも必要である。こんなような点も基本的な支援として挙げさせて いただいて、そして、その上で各チームの議論にしていただこうと。 勿論、チームでの御議論をしていただいた上で、この見直しの視点が修正されるとい うことは当然あり得るということでの御報告だと思いますけれども、何か、これにつき まして、御意見ございますでしょうか。 山田委員、どうぞ。 ○山田委員 4番のところなんですが、「その際にあっては県(児童相談所)との協力関係の確保 」ということで児童相談所を特出しにしてあるという形ですが、私は保健の立場ですの で、県と言ったら保健所とか、精神保健センターなんかもやはり児童虐待に関わります し、全部のチームの報告を読んでいますと、市町村と保健所との役割をどういうふうに するかという検討課題もたくさん挙がっていたと思います。 そういう面からすると是非ここに県(児童相談所)は勿論中心になるんですが、やは り保健とかいう部門も是非書き加えていただけたらというふうに思います。 ○柏女委員長 ありがとうございます。 それでは、奥山委員、どうぞ。 ○奥山委員 全体の見直しの視点というのは、書かれることは非常にいいことだと思います。それ に加えてこれ以前の理念というのが必要だと思います。虐待をどう考えるかというとこ ろが重要なところでしょう。つまり子どもの人権への侵害ということをきちっととらえ るということが必要です。だからこそ、第1次予防、2次予防、3次予防のどの段階に おいても、子どもの人権を守る方向で動かなければいけないという、その理念をきちん としておかないと、何か細かいところに流れ過ぎていってしまう可能性があるので、押 えておいた方がいいと思います。 ○柏女委員長 ありがとうございます。貴重な御意見だろうというふうに思います。 それでは、吉田委員、どうぞ。 ○吉田委員 私も今の奥山委員と同じでありまして、この見直しの視点の中に子どもの人権の視点 を是非入れるべきだと思います。権利条約等を批准にしているということもあります し、それから、これまでの虐待防止法ができたときの、たしか参議院法務委員会でした か、その附帯決議の中にもあったり、それから昨年の参議院の共生社会調査会ですか、 その中間報告の中にも、やはりそうした子どもの権利条約の批准を踏まえてということ が入っておりますので、今回の見直しについてもそうした視点というのを明確にする必 要があると思います。 ○柏女委員長 わかりました。ありがとうございます。 それでは、ワーキングチーム1〜3の検討を踏まえて、また最後にここに戻ってくる のではないかと思いますが、それからこの視点というのは当然次回以降の報告書の素案 の中に、全体を流れる理念ということで生きてくると思います。今、奥山委員や吉田委 員の方から御発言があった人権の視点、あるいは県の機関として児童相談所ではなく て、幅広い専門機関、それとの連携を保つべきだといったような視点は報告書の中に盛 り込まれていくものというふうに思います。 それでは、各チームからの御議論等に入っていきたいと思います。よろしゅうござい ますでしょうか。また最後に、この見直しの視点についての御意見ございましたら、御 提示いただければというふうに思います。 それでは、各検討チームの協議概要御報告をいただくことといたしまして、最初に発 生予防チームの佐藤座長、今日お休みでございますので、山田委員の方からお願いをで きればと思います。よろしくどうぞお願いいたします。 ○山田委員 では、佐藤委員に変わって御報告をさせていただきます。発生予防に関する検討チー ムはこれまで2回会議をしまして、あと1回勉強会という形。それから、メールでの意 見交換を行って意見をまとめてきました。 最初は重点的に専門職の援助をどういうふうにしたらいいかというようなことについ て検討しまして、更には一般的な子育てについても検討し、資料5にありますように一 応まとめさせていただきました。 資料5を見ていただけたらと思います。「はじめに」ということで発生予防の取り組 みの方向性をまとめてあります。2つ目にありますように、「養育問題があり、いった ん特段に援助が必要な状態にまで至ってしまうと、その改善は容易ではなく、相当手厚 い支援を必要とする」ということで、こういうことを考えれば、できるだけ保健事業の 充実や子育て支援対策の充実など、保健と福祉等の連携による取り組みを通じて、虐待 の発生を未然に予防することが極めて重要であると。 しかし、今、現実問題としては、人的資源にも限りがありますので、そういう中でよ り効果的に虐待を未然に防止していくために、専門的な支援については「これまで支援 を望む人に幅広く」ということから、「支援を必要とする人によりきめ細かく支援して いく」というような方向に転換していくことが必要であるというようなことで、一応こ の4つの方向性で検討をしてまいりました。 検討の内容としては、「1.一般の子育て支援の充実」、「2.虐待リスクのある家 庭の把握」、「3.虐待リスクのある家庭のリスク低減」ということです。 それから、「4.連携による支援体制の確保」、「5.虐待を認めない社会づくり」 ということで、5つの項目にわたって検討をしてまいりました。 「1.一般の子育て支援の充実」ということですが、1つには養育者の孤立化を防ぐ ための場を確保するということと、子育て支援システムの改革を必要とするということ で、この2点を重点的に検討しました。取り組みの方向性としては未然に防止していく ための下支えとなる取り組みとして、日常的な育児相談や診療とか、学校教育、家庭な ど幅広い面で子育て支援の取り組みを充実していくことが必要です。それにより、虐待 を未然に防いでいくことができるのではないかというふうに思っています。 このときに出た意見は、産後間もない時期から地域全体で支えていくというような一 般的な子育てが、まずは重要であるということ。 それから、マタニティーブルーズとか、うつ状態への対処、あるいは今、母子健康手 帳の交付とか母親学級、プレネイタルビジット等のさまざまな機会がありますので、そ ういうところでの情報を提供していくということがあるのではないかということです。 それから、ボランティア等への支援を専門的にバックアップするための保育所や養護 施設の機能を活用をしていこうというようなことが、チームの中から意見として出てお りました。 「2.虐待リスクのある家庭の把握」ということで、まずは妊産婦健診とか周産期の 医療、乳幼児健診等を通じて、早期に虐待リスクのある家庭を把握するための母子保健 施策の充実を図る。 母子保健施策を育児指導から親の育児に対するケアへという方向性です。 健診未受診家庭への訪問等、当該家庭の育児状況を把握する。 虐待を念頭に置いた日常診療の実施ということで、この4点が挙げられています。 「取り組みの方向性」としては、1つ目には、養育者が精神的にも肉体的にも最も支 援を必要とする生後間もない時期を中心に強化を図るということです。 それから、2つ目には、自ら訴え出ない、しかし実際には過重な育児負担のある養育 者が、確実に支援と出会えるように積極的なアプローチを図るという、待ちの姿勢では なくてこちらから積極的に出かけて行くというようなことがあります。 3つ目には、限られた社会資源の中でさまざまな要因を持つ虐待リスクのある家庭が 効果的な支援に出会うためには、リスクの内容や程度が明確に把握できるアセスメント 指標の開発が必要であるということです。このアセスメント指標は内容や程度というこ とが書いてあるのですが、支援を必要とする人を把握するための程度とかいうものでな くて、大ざっぱにまずは支援を必要としているかどうかというようなところを把握でき るようなアセスメントということが、まずは必要じゃないかということです。 このときには虐待リスクのある家庭を把握していくための、育児困難家庭イコール虐 待につながるわけではないということを十分認識した上で、取り組みを持っていくよう な配慮が必要です。 このときにチームから出た意見としては、まずは母子保健事業の中で、虐待発生予防 の視点を強化していくということがあります。強化して必要な支援が必要なときに提供 できるような体制・整備を図っていくと。 2つ目には、先ほど申しましたように、限られた資源の中ですので、支援を必要とす る人を把握するようなアセスメントを行って、それをもとに支援していくようなことが 必要であるということ。 それから、虐待のリスクを持つ養育者に対しては、こちらから積極的に支援につなげ ていく、これは保健領域だけでなくて、小児科等の臨床においても、虐待予防を念頭に 置いた取り組みということが重要であるということです。 「3.虐待リスクのある家庭のリスク低減」ということで、市町村の役割の強化とい うことです。 2つ目には、保健所と市町村の機能と役割分担。 虐待リスクのある家庭を支えるサービス等の強化。 保健師とかの関係者の資質向上と人員の確保。 精神保健福祉との連携強化及び精神医療からのアプローチ、というような5点があり ます。 「取り組みの方向性」としては、虐待のリスクを低減していくためには、リスク要因 を適切に把握するアセスメント。これは、専門家として支援する方向性を見出すような アセスメント、そういうような指標を確立して支援の方向性を的確に判断するというこ とが必要です。 虐待発生に関わる専門職種の資質の向上ということと、基本的には市町村の相談機能 を強化していく。それで、虐待に関する子育て支援サービスメニューを充実させて、そ れによりリスクの低減を図る。 グループワーク等による養育者の孤立を防ぐための専門的な支援等が重要である。 チームからの意見としては、市町村における相談機能の強化ということは勿論ですけ れど、保健所においては市町村で困っているような処遇困難な事例とか、あるいはネッ トワークによるコーディネート機能などにおいて、市町村を積極的に支援するというこ と。あるいは、未熟児とか精神保健相談は現在は主に保健所が行っていますので、そう いう家庭に関しての関係者の協力のもとに、保健所も主体的に関与をしていくというこ とが重要です。 3つ目には、さまざまな子育て支援センターとか、子育てOBとか、ヘルパーとか、 ショートステイとか、いろいろありますが、虐待リスクのある家庭を支えるサービスと いうことを強化していかないとリスクは低減できないと思われます。 今回は、どちらかというと支援を必要とする人によりきめ細かくということですの で、支援をする方向性ということが重要になるわけですが、支援の方向性を検討するた めのアセスメント指標を用いて、専門的に判断してリスク低減に向けて、濃厚な家庭訪 問を行う等、有効なサービスを確実に提供していくということが必要であるということ です。 「4.連携による支援体制の確保」ということで、市町村における虐待防止ネットワ ークと地域におけるネットワークの推進。保健所、医療機関等の相談支援における関与 を明文化していく。 民間との連携も図っていく。 「取り組みの方向性」としては、関係機関それぞれの役割を明確化して、さらなる取 り組みを促すとともに、民間も含めた相談ということで、機動力のある連携を組むこと が必要であるということです。 具体的な取り組みに関するチームからということでは、市町村における虐待防止の ネットワーク体制を充実をしていくと。 NPOなどの民間も含めた支援体制を強化していくということが挙げられています。 「5.虐待を認めない社会づくり」ということで、子どもの人権尊重の理念を明確化 するということと、子どもの虐待被害を第三者に伝える等、被害を回避する技術を身に 付けるの学習機会の提供、あるいは児童虐待を防止するための予防教育の推進というこ とで、「取り組みの方向性」としては、虐待を認めない社会づくりの基本として、子ど もの人権尊重に対する理念を明確化するとか、虐待を予防するための取り組みの必要性 について、広く国民に周知することが挙げられます。 チームからの意見としては、勿論、人権尊重というような理念を明確化するというこ とと、ここにはCAPプログラムということで書いていますけれども、子どもへの虐待 防止プログラムというようなことも積極的なアプローチができるのではないかというよ うなことが挙げられています。 この5つの項目で、一応発生予防のチームは検討をさせていただきました。少しアセ スメントというような言葉が2か所出てきます。今後もう少し言葉とか、そのアセスメ ントの内容というようなことについては、整理をしていきたいなというふうには思って おります。 以上です。 ○柏女委員 どうもありがとうございました。 発生予防に関する問題について5点に整理をしていただいて御報告をいただきまし た。議論はまたこの後、3つのチームから報告をしていただいた後に各チームごとの議 論をしていきたいというふうに思いますので、今回は何か御報告についての御質問がご ざいましたら、お願いをしたいと思います。 よろしいでしょうか。ありがとうございます。 それでは、特に御質問がないようでしたら、続きまして早期発見・早期対応チーム、 これは津崎座長がお見えですので、津崎座長の方から御報告をお願いをしたいと思いま す。 よろしくどうぞお願いします。 ○津崎委員 それでは、第2の作業チームの報告をさせていただきます。 事務局の方で整理をしていただいた資料6に基づいて御説明を申し上げたいと思いま す。かなり積極的に論議がなされたわけですが、それをコンパクトにまとめていただい ているのが資料6でございます。 特に「対応機関の機能、システム」というところでございますけれども、児童相談所 の体制等に関しての論議、その中で取り組みの方向性というところに一番コンパクトに まとめていただいた内容が凝集されていますので、そこを説明したいと思います。 「虐待相談件数や緊急時例の急増等により、児童相談所においては、現行制度上、担 うこととされている幅広い相談業務の全てに必ずしも対応しきれていない状況にあるこ とを踏まえ、例えば、一部の業務を他の機関に委譲し、児童相談所の業務のスリム化を 図るなど児童相談所のあり方等について見直しを検討することが必要」。 これは、要は今の児童相談所の状況がケースの急増によって困難な状況に至ってい る。一方、相談所は非常に幅広い相談業務すべてにわたって関与する、そういう状況が ございますので、児童相談所の職員増も含めた体制強化もさることながら、今の業務の 一部を、例えば専門機関等に委譲する等の検討の中でスリム化をするということも、一 定考えていくことが必要だということです。 例えば、健全育成の相談、あるいは障害相談等は市長村、あるいはまた他の専門機関 等に機能を移していくということも検討の一つの方向としてあり得るのではないかとい うことが、ここの部分でございます。 更には、児童相談所の機能の強化を図るため、職員の専門性の向上や医師、保健師・ 助産師・看護師や弁護士等の幅広い専門職種との連携強化を図るとともに、一時保護所 の在り方についても検討することが必要。これは、現児童相談所の職員の専門性の向上 を図ることが必要、SV体制の拡充であるとか、任用制度、あるいは研修等々を含ん だ、専門性の向上を目指す努力とともに、いわゆる組織内外の専門職種の拡充、連携も 含めた体制の強化ということをより図っていく必要があるということでございます。 更には、現一時保護所は全国的に満床状態にあるわけですが、例えば緊急ケースの シェルター機能ということであれば、より拡充は必要だし、あるいはまた一時保護中に 次の処遇に向けたアセスメントの場としても非常に重要だということをかんがみれば、 それにふさわしい保護所の在り方、あるいは一時保護所は現在は多様な子どもたち、非 行、不登校、あるいは要保護の子ども等々、混合処遇になっているという現状がござい ますが、そういう状況も踏まえたよりよい子どもの保護のための整備というような点も 含めて在り方を検討していくことが必要であるという方向性でございます。 次のページに移っていただきたいと思いますが、委員からの意見の主立ったものは、 チームからの意見・提案というところに列挙されていますので、またご覧いただければ と思います。 福祉事務所の体制、また主任児童委員の在り方等の部分ですが、取り組みの方向性の ところをごらんいただきたいと思います。早期発見・早期対応における、地域の機関・ 住民の果たす役割は大きい。こうした観点から、福祉事務所に設置されている、家庭児 童相談室や児童委員、取り分け主任児童委員等を地域の福祉の核として、積極的に活用 を図ることが必要だということでございます。 これは、現在でも法律的には虐待の通告受理機関として福祉事務所が位置づけられて いるわけですが、福祉事務所の児童相談の機能の拡充・強化が必要。取り分け、福祉事 務所内に設置されています、家庭児童相談室、ここの職員が常勤化ということによって その機能が充実している面がありますので、常勤化の促進等も含めた機能強化というこ とが必要だということでございます。 また、地域における児童委員の活用という点に関しては、特に主任児童委員、この主 任児童委員の活動の具体的な在り方、あるいは組織上の主任児童委員の活動しやすい問 題点の整理等も含めてより積極的に活用を図っていくことが必要だということでござい ます。 次のページに移っていただきたいんですが、「虐待の早期発見、通告、早期対 応のシステム」ということでございます。これも最終のまとめとして、「取り組みの方 向性」のところをごらんいただきたいんですが、児童相談所の在り方と併せて、市町村 の役割を検討することが必要。その際、市町村が子育て支援に果たす役割、市町村保健 センター等における保健事業の実績等も考え合わせ、より積極的に役割を強化する方向 で検討することが必要。併せて、保健所と市町村保健センター等における役割分担につ いても検討することが必要ということでございます。 これは、要は今後虐待の全般的な流れの相談機能の強化ということを考えたときに、 市町村の果たす役割が非常に大きいということです。そのときに、市町村の役割の強化 とともに、児童相談所と市町村、そして先ほど御指摘のありましたように、保健所と保 健センター、そういう役割分担ということも十分整理しつつ、その強化を図ることが必 要ということでございます。 取り分け、市町村レベルのネットワークは、児童虐待の発生予防から自立に至るま で、大きな役割を果たし得ることから、引き続きその設置を促進することが必要。要 は、市町村レベルのネットワークが、児童虐待の援助ということを考えたときに、非常 に重要な役割を果たす、そういう意味でネットワークの促進整備ということに対して、 引き続き努力が要る。特に事務局機能とコーディネート機能が非常に重要になることか ら、その点も押さえつつ、ネットワークの拡充ということを考えていくことが必要だと いうことでございます。 更に、民間団体との連携強化を図ることも必要であるが、連携を進めるに当たって は、公的機関とは異なる配慮が必要。ネットワークの中には当然民間機関も含めたネッ トワーク体制の強化が必要だということですが、例えば情報の管理、あるいは提供等に おいては、公的機関と民間レベルが同じ縛りというわけにはいかない要素もありますの で、民間機関としての異なる配慮が要るのではないかという意味合いでございます。 その次のページに移っていただきたいと思います。「児童相談所の行政権限、裁判所 の関与」という部分でございます。ここに関しましても、集約的な内容が「取り組みの 方向性」のところに示されていますので、そこをごらんいただきたいと思います。 立入調査については、立入を拒否された場合の打開策がないという課題認識を前提と しつつ、要件を設定し得るのか。だれが執行するのか、現実的に対処できるかといった 問題点等を踏まえ、有効な手立てについて引き続き検討が必要ということでございま す。これは、要は立入に対して協力をしない場合に、司法命令でもって立入るという制 度がいかがかという議論に対する1つの方向性でございますが、直ちの法制化というの は難しい点もあるので、引き続きいろいろな要件、執行者、現実的な対処等の課題点も 踏まえて、更に検討を加えていくことが必要だという意味合いでございます。 その次ですが、一時保護制度が緊急性がある場合に発動する行政権限であることを踏 まえ、人権に十分配慮した現行制度の運用を図ることとし、制度運営に対する司法関与 については、慎重に検討が必要。これの意味するところは、いわゆる児童相談所の行政 的な援助が近年職権保護による子どもの一時保護ということをかなり積極的にするよう になってきているということをかんがみ、親の権利という視点に立ったときに、そうい う行政権限が親権に勝るといいますか、親権を超えた行政処分の在り方に対して、司法 審査が要るのではないかという議論に対する一定の方向性でございます。 要は、親権を制限するような行政の権限発動でございますから、人権に十分配慮した 現行制度の運用が必要であるということを十分確認しつつ、ただ今の時点で司法の判断 がすぐに入るということに関しては、いろいろ課題が多いということも踏まえて、引き 続きその要件、あるいは在り方等も含めた検討が今後とも必要という意味合いでござい ます。 その次の、現行制度上、無期限措置となっている家庭裁判所の承認に基づく親の意に 反する施設入所措置については、人権保障の観点からの手続きの適正化という観点や、 親が将来の見通しを持てることで家庭復帰に向けた指導を効果的に行い易いという観点 から、家庭裁判所の承認に基づく施設入所措置は期限付きのもの(期限付きの承認)と し、必要に応じ、再審査をするなどの仕組みの導入に向け、内容や要件などを検討。 これも一見しますとちょっとわかりにくい表現でございますが、要は現在、親が同意 しないときに家庭裁判所の承認を得て、施設へ入所する措置、児童福祉法の28条の措置 というのがございますが、これに関しては現在は裁判所の承認を得るという手続きがあ りますけども、承認の有効期限というのは無期限であるわけです。 したがって、措置を解除するときは、裁判所は関与しないで児童相談所の判断で解除 がなされている。このことに対して、入り口の部分に裁判所の審査が入るのであれば、 出口のところも裁判所の審査が入る方がいいのではないかというような論議がるるあっ た内容のところでございますが、要はこれについて今、無期限の承認を一定期限付きの 承認、例えば、2年という年数を限った承認を求める、そして、2年後に例えばその保 護者の虐待に対する改善努力の様子、あるいは子どもの様子等を勘案し、引き続き更新 が必要かどうかというのをその時点で再度審査を求める。そういうシステムに変更する ことができないかという内容でございます。 このことについては、今の無期限の承認よりも、一定期限を付けることによって保護 者への具体的な改善のためのプログラムの提示であるとか、あるいはその具体的な遂行 状況であるとか、一定の年数の後に家庭復帰が適当であるかどうかという判断を再度す るという、今の状況よりはより指導の中身の実効性が得られるのではないかというふう な要素もあって、そういう方向で内容であるとか要件を検討していくということでござ います。 その次の部分ですが、子どもの安全・安定等を確保する観点から、児童福祉法第28条 措置に係る審判前の保全処分ができるような仕組みの導入に向け、保全処分の内容や要 件などを検討。 これはどういうことかといいますと、28条申立てをしましたときは、28条に係る保全 の適用というのは、家庭裁判所の家事審判規則には現行ではないわけです。ただ、裁判 官によっては運用、類推適用の中で保全処分を下ろしていただいていることもある。そ ういう状況でありますが、この部分に関しましては、多くの場合は申立て以前に一時保 護されている。そのことによって保全が確保できているのではないかという見方もある わけですが、一方で一保護することによって特に職権でなされた場合、保護者とのトラ ブルが生じ、場合によったらその保護者が押しかけてくるということの中で、子どもの 安全確保が十分図れない事実上もありますことから、28条に関する保全処分の制度化に 向けて、今後、内容とか要件の検討を進めていくということでございます。 続きまして、次のぺージをごらんいただきたいと思いますが、そこに今後の課題とい うことが書いてございます。これは今の「取り組みの方向性」とも絡む部分でございま すけれども、今すぐ難しいけれども、今後の課題として引き続き検討していく必要があ るという内容でございます。 要は「長期の引きこもりなど安全確認の必要性は高いが、緊急性が明らかでない場合 などに、令状を発布してまで立ち入るということについては、どの程度の必要性がある か、介入すべき要件、介入するための人権保障(適正手続き)など、十分な吟味が必要 」。これは立入調査に対する司法審査の部分についての考え方でございます。 その下が「一時保護処分や児童福祉法第28条の家庭裁判所の承認に基づく施設入所措 置に対し、行政不服審査に加え、運営適正化委員会や地方児童福祉審議会など既存制度 の活用を含め、親が申立を行い、意見が反映されるような仕組みの整備について検討が 必要」。これは現在の行政不服審査だけではなくて、運営適性化委員会、あるいは地方 児童福祉審議会等を活用することによって、保護者の意見をくみ上げ、あるいは行政機 関との調整的機能を発揮するような制度についても今後、整備の検討が必要ではないか ということでございます。 それから「一時保護制度に対する司法関与の是非については、その要件や有効性など の問題点を含め、引き続き検討が必要」。これは先ほどのものから見て、職権保護等に 関する司法関与の是非についての引き続きの検討ということでございます。 次のぺージですが、これは保護者への指導等についてということです。 その「取り組みの方向性」のところをご覧いただきたいんですが、「保護者に対する 指導のあり方については、親子がともに生活していくことを目指す以上、現行制度の効 果的な活用はもとより、司法が関与することによって、保護者指導の動機付けや実効性 を高めるための仕組みの導入は、重要な課題。このため、司法の枠組みに適するように 制度を設計することを前提に、制度導入を検討することが必要」。これは、現行では児 童相談所の指導の措置をとれば、それに親は従わなければいけない。そして、従わない ときには知事が勧告できるというのが、今の虐待防止法の仕組みでございますが、それ で更に効果がないときに新たに司法が関与する、そういう枠組みを今後具体的に検討を していく必要があるということの意味合いでございます。 それから、「18歳以上の未成年者の親の親権喪失について、児童相談所長による申立 を認めることが適当」。これは、児童相談所が、18歳未満ですから、いわゆる18歳、19 歳が児童相談所長においても、その対象として場合によっては親権喪失の援助に代行的 に行うということはできない部分です。隘路になっている部分。これに関して、18、19 の例えば、性的被害の子どもたちが親権喪失に非があったときに、児童相談所長がその 部分もカバーできるような、そういう児童福祉法による救済の在り方ということを検討 することが必要というふうな部分の意味合いでございます。 最後のぺージですが、「今後の課題」のところに書いてありますように、これは「親 権や面会、通信の制限のあり方については、親権の範囲や一時停止と制限の差異などに 関する解釈が未整理であることなどから、条件の厳密化と併せての整理が必要であり、 現行制度の中で工夫できないか、さらに検討が必要」。要は、これは親権の一部一時停 止の問題に関する部分ですが、現行制度の中での工夫、更に今後の課題として検討して いく内容のものであるという位置づけでございます。 医療ネグレクトについても、現行制度の運用、あるいはその実態の把握というふうな ことも含めた、今後、さらなる検討が必要というようなことでございます。 性的虐待を受けた子どもについてということですが、性的虐待を受けた子どもが審判 に関わって、保護者の方の刑事罰の対象の、そういう審判が増えてきているわけです が、性的虐待を受けた子どものダメージ、あるいはその心理的影響というのが非常に大 きい要素がございますので、審判プロセスでは子どもに与える影響を十分配慮した手続 き上の工夫を、より強化していく必要があるという意味合いでございます。 「児童相談所と保護者の間のトラブル、混乱を緩和し、話し合いができる仕組みとし て、緩衝的機能と支援機能を発揮できるような保護者に対する代理人制度の構築を検 討」。これは、児相と保護者の間を取り持ち、あるいはまたその保護者の意見を代弁し て、具体的にその意向も代弁しながら、調整能力を発揮するような制度として、第三者 機関であるとか代理人制度の構築ということも、より検討していく必要があるだろうと いうことでございます。 以上、ちょっと時間オーバーしてしまいましたが、主立ったポイントは以上のような ことでございます。 ○柏女委員長 どうもありがとうございました。早期発見・早期対応に関する検討チームの方で、特 に児童相談所の行政権限、それから裁判所の関与についての部分、非常に大きな論点に なっておりましたので、少し詳しく現在での法における取り組みの方向性ということ と、それからなお課題として残されている点等について御報告をいただきました。 議論は後ほどしていくことにいたしますけれども、何か御報告についての御質問はご ざいますでしょうか。 青木委員、どうぞ。 ○青木委員 青木でございますが、ちょっと質問ということではないんですが、先週の金曜日に朝 日新聞からこの点に関する報道記事が出たわけですが、ちょっとその記事の内容が正確 でないように思われるですけれども、今の御報告との関係でいかがにお感じかなという ふうに思いましたが。 ○津崎委員 どの点が、どういうふうに正確でないと、その点をおっしゃってください。 ○青木委員 見出しが、保護期間家裁が判断とどんと出ているんですね。だから、何か個別的に判 断するかのように感じるんですね。 それから、これはどうかと思いますけれども、16日に骨格が決まったというのもよく わかりませんし、あとこれはもう読み方というか、受け止め方のような感じなんですけ れども、余りこの記事にとらわれずに議論されたらどうかというふうに思います。 ○津崎委員 多分、いろいろ情報源は新聞社ですから、どこかから得て、そこに新聞社独自の解釈 も含めて記事にしていると思いますが、公式な論議はあくまでもこの場の論議でござい ますので、この場の論議を踏まえて中身を検討していくという扱いでいいのではないか というふうに思います。 ○柏女委員長 青木委員、よろしいでしょうか。それでは、また後ほど御議論をいただきたいと思い ます。ほかには、御質問よろしゅうございますでしょうか。 それでは、3つ目のチーム、保護・支援チームの検討の状況について、松原座長の方 から御報告をお願いいたします。 ○松原副委員長 保護・支援等に関する検討チームも、チーム協議、それから個々の委員間でいろいろ メール等のやり取りをされて、熱心に議論をしていただきました。 それで、8本ほど柱が立っておりますけれども、まずその前に「はじめに」というと ころで、この保護・支援ということについては、これは虐待を受けたこと子どもが、安 全で安心できる生活を保障する、それにとどまらないで、適切なケアや治療を提供する ことと同時に、やはり親への適切な指導・支援を通じて、家族再統合や、家族機能再生 を求めていこうと、このことが保護・支援ということの中身になるんだという確認をし ながら、これは親子分離をした場合も、在宅支援をした場合も、これは同じような観点 に立つと同時に、そのために十分なアセスメントというようなこと、それから家族再統 合や機能再生に向けた制度の高いプログラムの開発が必要であるという点も確認をされ てきたところだろうと思います。 親子分離をした場合であっても、やはり今度は可能な限り家庭的な生活環境を保障す る。そして、適切な治療や自立を促していくための支援を充実していくことも必要だと いうことも確認をされております。 こういったことについては、やはり関係機関の職員の資質の向上、あるいはネットワ ークの強化が必要であるという、全般的な認識に立ちまして、8本の柱に沿って議論を いたしましたが、最初の児童相談所の行政権限と裁判所の関与につきましては、早期発 見・早期対応チームにおいて、中心的に検討をされましたので、ここでは省略をさせて いただきます。 2番目の児童福祉施設、里親等の機能、システムにつきましては、2ページを開けて いただきたいと思います。「取り組みの方向性」というところに書かれております。非 常に各委員熱心な議論をしていただきました。その中で、やはりきめ細やかなケアと治 療を可能とする、そういった施設、それからそれを規模の小さな施設や里親制度の充実 というところで検討していくことが必要であるということ。 そして、それに対応した支援体制というものを確保していくことということが必要で あるという確認をされました。 そして議論の中では、本当に施設そのものの在り方等についてもいろいろ出てきたん ですけれども、考えてみますと今の児童福祉施設体系とか、里親というものは、勿論そ れぞれ個々の施設、虐待を受けたお子さんがたくさん、相当程度のお子さんを受けてら っしゃいますけれども、やはり全般的な検討が必要だろうということで、児童部会に新 たに設置をされました「社会的養護の在り方に関する専門委員会」、ここで更に引き続 き検討をするということで、個々の議論を続けていくことになりました。 具体的な取り組みに関するチームからの意見・提案については、また詳しくお読みい ただければと思います。 今後の課題としては、子どものケア内容に応じた措置費体系の見直しや、児童福祉施 設最低基準の改善についての検討が必要であると。 3ページにいきまして、虐待を受けた子どもへのケアと治療を目的とした施設とし て、地域の施設の中核となる拠点を定めて、そこを中心として地域全体の関係機関が連 携して、虐待を受けた子どもを支えていくということをモデル的に検討すべきではない かというような課題が出されております。 それから、特にその施設の対象等に関しては、客観的なガイドラインの策定ですと か、第三者機関によるチェックシステムということについて、やはりアセスメントツー ルの開発、それから養育サービスの質を維持するための客観的な評価の確立が必要であ るという方向性が示されております。 次に、児童福祉施設職員、里親等の資質向上、資格要件、人材確保、メンタルヘルス ということで、こういった施設でのケアや治療を可能にしていくためには、何よりもや はり人的な資源の確保が必要だということで、ここの議論をいたしまして、やはり専門 的なトレーニングを受けた職員が必要となるというようなこと、そのために実習を充実 させた研修等を取り入れながら、その施設職員の養成、資質と専門性の確保と同時に、 関係機関施設職員の意識などの向上を図ることが必要であろうということで、こういっ たことについても先ほど述べました、社会的養護の在り方に関する専門委員会での議論 を踏まえて検討をする必要があるだろうということになりました。また、各委員の意見 ・提案につきましては、お読みをください。 4ページにいきます。「在宅支援の強化」ということで、先ほど「はじめに」で申し 上げましたように、必要に応じて親子分離をするということも一方であり、また一方で は在宅での支援を通じて、子どもの虐待へ取り組むということも進めていかなければな らないだろうということで、やはり取り組みの方向性のところを中心にして御報告をし たいと思いますが、この在宅支援の強化につきましては、やはり市町村での在宅支援の 機能を充実するということ、そしてこれを展開していくということがまず第1点の方向 性として挙げられました。 これに加えて、虐待を受けた子どもへの長期的な支援を行うという観点からは、見守 り役としての市町村の役割、これも重要であろうということです。ただ、これを市町村 だけに全部任せるということではなくて、やはり児童相談所の支援・協力というのは不 可欠ですし、特に重篤なケースについてはこれを児童相談所が全体の支援プロセスを管 理することを含めて、関わりが必要であるという認識がなされております。 これも「はじめに」で述べましたけれども、この際には保護者を含めた家族への支援 の在り方を、援助方針の中に含み込むことが必要であるというふうに方向性が確認をさ れております。 そして、関係機関、さまざまなところ、これは民間の団体も含めて、あるいは地域住 民、こういった人たちを含み込みながら、組織的に対応していくことが必要であると。 これを可能にするために、やはり市町村ネットワークの整備が重要であると。そのため に、このネットワークをただつくり上げるだけではなくて、適切に、そしてこれが機能 するように運営の中核になる市町村の果たすべき役割ということも明確にし、かつ強化 することが必要であるというような方向性が確認をされました。 5ページにいきまして、こういった市町村ということを考えると同時に、地域社会と いうようなことで、やはり個々の課題としては、子育て中の親を孤立化させない。それ から、虐待を受けて施設に入所している子どもを学校等で他の保護者や子どもが正しい 知識と理解を持って受け入れることなどが求められるということで、他のチームと関連 するような課題もここで挙げられております。 5番目に、児童に対する治療・指導法の確立、これは福祉・医療・保健機関等で行う ことになりますが、取り組みの方向性にございますように、その知識や技術の一層の開 発・普及、その在り方を明らかにするアセスメント方向の一層の研究・開発・普及など が必要である。特に、性的虐待を受けた子どもに関する治療やケアは、特別な注意が必 要であるという方向性が確認をされておりますし、そのために必要な情報を適宜専門家 が活用できるような仕組みを整備することが必要であるという方向性も出されました。 今後の課題の中で、私どものチームの中では、このアセスメントということを随分熱 心に議論をされましたけれども、この児童虐待に関わるアセスメントについては、その 方法、技術の開発・普及だけではなくて、望ましいアセスメント実施のための体制の確 立に向けた検討が必要であると。こういう検討の中では、児童相談所の一時保護所と児 童福祉施設の役割分担も検討されるべきではないかというような課題が出されておりま す。 そのほか、このアセスメントにつきましては、アセスメントセンターの創設というよ うなことも課題として挙げられております。それから、性的虐待を受けた子どもについ ては、よりきめ細やかな対応を確立していくことが必要。こういったことも含めて、新 たな施設体系ということも検討を考慮すべき課題の一つであるといういうふうに挙がっ ております。 6番目、保護者に対する治療・指導法の確立ということでは、やはり家 族再統合を支援するという観点から、家族に対する支援、このことをもう一度ここで確 認をしております。ただ、そのためのプログラムを充実・発展させ、普及をしていく。 そして、家族再統合に向けたプログラム開発についても研究を進めることが必要である という方向性の確認がなされております。 今後の課題のところでも、そういったことに基づきまして、さまざまなシステムやプ ログラムの開発・研究等が課題として挙げられております。 7番目に、医療機関の機能、システムというところですが、7ページにいきます。取 り組みの方向性として、子どもは非常に虐待を受けた中、体だけではなくて、心理的な トラウマも抱えているわけですから、精神医学的な介入が必要な子どもも多い、こうい う認識のもとに、こうした子どもに適格に対応できる医療環境の整備が必要であるとい う方向性が確認をされました。 そして、同時にこれは保護者に対しても地域の医療機関による、一層の専門的な支援 が必要であるということ。そして、こういった医療での対応を充実していくために、研 修、教育の医療関係者に対する充実を図るとともに、小児科医や精神科医との連携強化 を図ることが重要であるという方向性が出されました。 今後の課題として、医療対応システムに関する研究。都道府県レベルでの拠点医療機 関の設置、そして特にここも人材ということですから、児童精神科医、小児精神科医の 充実ということが課題として挙げられております。 その他、具体的な取り組みということで、ここに挙げられましたようなことが、7ペ ージから8ページ、各委員の意見・提案、今後の課題ということで挙げられておりま す。 最後に、全般にわたる指摘事項としまして、市町村の役割として機能強化についての 検討と、児童虐待に関する継続的な検討の場の確保ということが必要だという指摘が、 チームの中でなされております。 以上です。 ○柏女委員長 ありがとうございました。今の保護・支援等に関する検討チームの御報告につきまし て、何か御質問はございますでしょうか。 才村委員、どうぞ。 ○才村委員 今の中でアセスメントの重要性がかなり強調されていたと思うんですけれども、この アセスメントセンター、これは具体的にはどういったイメージになるんでしょうか。 ○松原副委員長 まだ、検討の段階ですので、具体にどうということではないんですけれども、我々の チームの中で出てきたのは、虐待があるかないかというようなことのアセスメントと同 時というか、それにプラス、今度は虐待を受けた子どもたちに対して、どういう生活の 場の提供が必要なのか、これは親子分離なのかということも、あるいは在宅なのか、そ れからどういうようなケアが必要なのか、そしてどういう治療が必要なのか、こういっ たことを総合的に判断をするための、これもセンターと呼ぶのか、機関と呼ぶのか、施 設と呼ぶのか、ここもまだ具体的には明示されておりませんけれども、ここの入口のと ころをきちっとやっておかないと、その後のさまざまな支援というものか空回りをして しまう。あるいは、ちょっと食い違った方向になるんではないかということで、ここの アセスメントをきっちりやりましょうということで、ここを中核的に担うような社会的 な資源が必要ではないかということで、ここはもう少しきちっと検討を進めていきなが ら、具体像というのはこれからのところかなというふうに考えております。 ○柏女委員長 どうもありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 それでは、今、3時10分ですので、1時間ちょっとぐらいディスカッションの時間が 取れることになりました。各チームから、今、御報告をいただきましたので、それぞれ につきまして御議論をいただこうかなというふうに思っております。 その前に、議論の方向性、議論の仕方について私の方から提案をさせていただきたい んですけれども、先ほど青木委員の方からも御質問がございましたが、この専門委員会 での議論というのは、言わば社会保障審議会児童部会に設置された専門委員会で、当面 虐待防止の問題についての議論が必要だということで、児童虐待防止法の見直しを念頭 に置いて、見直しの視点と方向性について、幅広く論議をするということがこの委員会 に与えられた役割と。そしてそれを児童部会の方に御報告をしていくというような形に なるかと思うんですが、そのときに1つとして、ここに具体的に挙がっておりました、 取り組みの方向性ということで、児童虐待防止のための当面の取り組みの方向性と言い ましょうか、それが1点出されております。 もう一点は、一応検討が必要だけれども、今後の課題として考えていかなければいけ ないというのが2点目として挙がっております。 それから、第3の保護・支援チームの方にもありましたが、虐待防止に直接関わるこ とではないんだけれども、他の児童部会の中の児童相談所の在り方の検討とか、あるい は社会的養護の在り方の検討とか、児童部会本体での議論に対してこちらの専門委員会 から発信をしていく点という、恐らくこの大きくこの3つの議論が入っているんだろう というふうに思います。 そのすべてについて議論をしておりますと、例えば今の才村委員の御質問のような、 アセスメントセンターをどうするかという議論をしておりますと、もうそれだけですぐ 20分経ってしまいますので、ここではできましたら虐待防止のための当面の取り組みの 方向性と題された部分、その部分を中心に御意見などをいただければと思っておりま す。 各チームごと、ほぼ15分から20分ということで議論をしていければというふうに考え ています。 それでは、まず第1に、一番最初に御報告をいただきました、発生予防に関する検討 チームの方の御報告につきまして、それぞれのチームで検討していただいた中身から、 こういうことがもう少し考えられないかとか、そういったような御意見がございました ら出していただければと思います。 どなたからでもどうぞ。吉田委員、どうぞ。 ○吉田委員 先ほどの質問の機会に出せばよかったのかもしれませんけれども、少しわからない部 分がありますので教えていただきたいんですが、「はじめに」の○の4つ目、考え方を 転換していくという部分ですけれども、支援を望む人に幅広くから、支援を必要とする 人によりきめ細かく書いてあります。内容を拝見すると、確かに自らそうしたニーズを 発信できない人に対して、より濃厚な手当をしていくというようことで、その趣旨はわ かるんですけれども、従来から、支援を望む人と、自ら虐待の不安に悩んでいる人と か、そうしたサービスを求める人というのもいるわけで、そういう人たちに対しては、 この部分は従来どおりの施策ということになるのか、それとも新たにこの部分更に手厚 くするのか、ちょっと教えていただきたいんですけれども。 ○柏女委員長 山田委員、よろしいでしょうか。 ○山田委員 私の考えとして、このチームの方もいらっしゃいますので、また御意見をいただきた いというふうに思いますけれども、決して今までやっていたことを軽くするとか、そん なことではなくて、多分今までそういふうな支援を望まないというか、表明しない人に 対しては、余りやられてなかったのではないかという反省に立っているんだと思うんで す。そこを強調していくということが、今後予防をしていくためには重要だというふう に理解していただけたらと思うんですが。 ○柏女委員長 吉田委員、よろしいでしょうか。私もそんなふうに理解をいたしました。健診等でも こられない人の方に対してより手厚くアプローチすることが大事なんじゃないかという ことを言われますけれども、そうした視点ではないかと思いますが、ほかの先生方、よ ろしいでしょうか。 ○山田委員 田中委員の方から何か追加がありましたら、お願いいたします。 ○柏女委員長 よろしいでしょうか。吉田委員、そんな意味だということですが。 いかがでしょうか。 どうぞ。 ○奥山委員 今のことに関して1つと、それからもう一つ、2つ質問をしたいと思います。今のこ とはとっても大切なことだと思います。なぜなら虐待対応は近年の保健の考え方と逆行 するような形になりがちな考え方だと思うんです。これからの保健は、「健康というの は、個人個人が自分で自分の健康を守るもので、行政等がそれに対してのサービスを提 供する」んだという、大きな流れがあります。そこの中で、サービスを必要としてこな かった人にどう対応するのかというところなので、そのポイントをどういうふうに手当 したらいいとお考えなのかをお聞きしたいと思います。なぜなら大きな流れに逆行する だけにエネルギーの要る作業なんではないかと思うのです。 もう一つは、幅広くの部分も、かなり必要だと思います。ここに少し書いてはあるん ですけれども、具体的に見えてこない部分です。例えば子育てネット等のNPOのネッ トであるとか、それから保育園や幼稚園といったようなところのバックアップ体制の問 題は重要だと思います。子育てネットの方では、とっても困っているという声が結構あ るんですね。つまり何か危ないお母さんたちがいるのに、どうしたらいいかというのが わからない、後ろ立ての専門家がいないということで、とっても困っているところもあ るので、そういうところとの連携の具体的な考えや意見が出ていたら教えていただきた いと思います。 ○柏女委員長 2点御質問がありましたけれども。 ○山田委員 最初の1点目ですが、一般的な子育てというか、その部分は関係機関と広く、保健も 加わった中で何とかやっていこうという、そこの中で、ここで言うところのリスクのあ る人を集中的にやろうというような、二段構えというふうに考えています。 だから、一般的な子育てという部分が、関係機関と一緒にやっていこうというような ところで、そこの中でいろんな問題がある人が現われた場合は、保健がそれバックアッ プしようというような体制が組んでいければいいかなというふうに思っています。 2つまとめて回答のような形なんですが、だから全体的に支援するものと、それから 的を絞ってする部分とは分けて考えていかないと、支援という行為にはなかなかならな いのではないかというふうに思っています。 ○奥山委員 1つ目の質問は、いわゆる健康日本21という大きな理念があって、その中での理念 と、サービスを必要としない人にサービスを提供するというところが、反対の流れに なっているという感じがするのです。健康日本21以降の流れというのは、健康は個人が 守る、つまり社会的防衛の保健から個人的な保健という方向へ移ってきていると思うん です。その中で、とても保健婦さんたちは虐待の問題に対応しようとするときに、苦労 が起きているんですね。その辺のところをかなり明確に、表に現われていないだけで、 ケア、サービスを必要としている人なんだという位置づけが非常に重要なんではないか と思います。 法律の中でも、その辺の位置づけをしておかないと、現在の保健行政の流れから少し 外れていってしまうんではないかという不安が強くあります。 ○柏女委員長 どうぞ。 ○柳田委員 やはり明確に分けるのではなくて、支援を望む人に幅広く、今おっしゃったように健 康日本21の流れから、更に支援を必要とする人にきめ細かくというような、表現方法が いいんじゃないかと思います。 それから、また別のことですが、保健事業の充実や子育て支援の充実など、保健と福 祉の連携による取り組みについてというふうに書いてございますが、ほかのチームは、 保健、医療、福祉のというふうに書いてありますから、この部分も保健、医療、福祉と いうふうに表現した方がいいと思います。 ○柏女委員長 具体的な取り組みの方向性というところについての提言という形でも構いません。 ○川名委員 先ほどの、求めてこない人をどうするかというのは、かなり議論をしたわ けですが、勿論これから自立していかなければいけないので、いろんなことを自分で やっていく自己責任というのはそうなんですが、例えば出産のときに毎月きちんと母子 健康手帳を持って医院にやってくる人というのは余り心配ない、何かあったときは助け を求めてこられるだろうということなんですが、出産の直前になって来て、産後もなか なか定期健診にも現われないというような方には、それで実際高いリスクも持っている ので、そういう人にはやはりこちらから、お節介かもしれませんが、手を差し伸べる必 要があるのではないか、そこを非常に注意しながら、やはりそこのところをやっていこ うと。そういう議論をして、この一文を書き込んだわけです。 だから、法律でそれをかっちり書くかどうかというのは別にして、働きかけは必要だ という、そういう層に来るまで待っていてもなかなかという、そういった人たちに働き かけていこうということです。 ○柏女委員長 田中委員、どうぞ。 ○田中委員 これは、この虐待の発生予防の1つのテーマになって、非常にソフトな予防からハー ドな予防と両面あると思うんです。治療を要する部分をもまた予防しなければいけない ということで、一般的な予防というのとあったと思うんですが、支援を望む人の裾野を 広げたということが1つありまして、それと支援を必要としているけれども、望まない のか、望めないのかというような議論もありまし、、恐らく幾つかのパターンとして考 えたのは、そういうことの情報がまだ足りないということで、望むべき人が望めないと いうような部分。 それと、何らか課題を親御さんが抱えておられて、支援が至らないケースと、勿論後 半の部分もそうですけれども、独特の価値観や文化基準を持って子育てをされている 方々についてまで、対応していかなければ発生予防にならないだろうということで、望 む人に限らずそこをかなり幅広く裾野を広げていこうというような話になっているとい うふうに記憶していますが。 ○柏女委員長 どうぞ、奥山委員。 ○奥山委員 つまり、言いたかったのは、それをするには今のままだと流れとして難しいので、ど こかで規定してあげないと、保健婦さんたちが非常に動きずらいのです。この間通達は 1つ出ましたけれども、やはり法律的な根拠がないと、虐待に関しては、上からそれは 児相に任せればいいだろうという話になってしまうのです。ですから、それに対して サービスを求めてきた人だけではなく、手を差し伸べなければいけないという、何か根 拠となるものを法律の中に位置づけていくべきだろうと思って、ちょっと発言をさせて いただきます。 ○柏女委員長 ありがとうございます。どうぞ。 ○松原副委員長 別の観点で、多分3つのリスク低減のところに係ると思うんですが、我々のところで も市町村の役割とか話しておりまして、全体としては異論ないんですが、特に児童福祉 法の中で、保育所の利用というのを都道府県知事が認めた場合に、市町村長を通じて、 親、保護者に干渉できるという規定があって、事例的にも少しずつ増えてきているよう なんですけれども、それをもう少し強化をしていくようなことと。 それから、奥山委員おっしゃったように、今度はいざいろんな形で養育不安等を持た れた方、あるいは実際に虐待をされている方、受けた場合の保育園のバックアップとい う、それは勿論そういうことに限らず、幼稚園等でも必要だと思いますで、保育という ことで少し方向性、充実とか、より活用するとか、そういうことが入ってくるといいか なと読ませていただきました。 ○柏女委員長 そのほかにいかがでしょうか。まだ、報告書をまとめるという段階ではございません ので、幅広く出していただければ構いません。御意見を出していただいて。 よろしいでしょうか。どうぞ。 ○西澤委員 余り細かい話をするなというあれなんですが、ちょっと気になったのは、具体的な取 り組みに関する意見の4ページの中に、NPOなどの民間機関等の連携の強化により、 休日・夜間対応を図るなどというのは、これはいささかNPOを休日・夜間の対応の看 板に持ってくるというのはいかがなものかと、やはりこの辺のハードな部分というのは 公的機関でやっていって、その部分どこかでNPOなんかと連携していくというのはい いなと思うんですけれども、それを中心にしていくというのはちょっとかなと思ったの で発言させていただきました。 ○柏女委員長 ありがとうございました。先ほどの奥山委員の御発言とともに、やはりこのNPOの 位置づけといいましょうか、予防についてのNPOの役割といいましょうか、そうした ところについても少し書き加えていくことが必要かもしれません。 そのほかにいかがでしょうか。よろしければ、また次に戻っていただいても構いませ んけれども、引き続きまして次のグループのディスカッションに移りたいと思います。 虐待の早期発見・早期対応に関する検討チームの方での協議概要、これについての御 意見をいただければと思います。 奥山委員、どうぞ。 ○奥山委員 早期発見のところなんですけれども、これ第1のグループとも重なるんだと思うんで すけれども、やはり予防から早期発見までというのは、相当幅広い方たちに、どうした らうまく動いてもらえるかという問題なんではないかと思うんです。それぞれ、特に子 どもを扱っているところ、保育園とか学校とか、それから非常に重篤な虐待、死に至る ようなことを扱う可能性が高い医療機関などそれぞれが、どうしたら動くかという問題 です。どういう制度を設けたら一番動くかという視点が大切なんじゃないかと思うんで す。 私は医療機関にいるので、医療機関ということを考えれば、通達義務を罰則付きの義 務にして、きつくするという案もあるでしょうし、虐待対応は手間がかかるわけですか ら、医療の場合はもう市場経済で動いておりますので、ある程度お金が入らないとやら ないという部分もあるかもしれません。 それから、バックアップがないとうまく動けません。自分たちだけではなかなかうま くいかない部分も、うまくバックアップする機能があれば対応できるかもしれません。 保育園とか、幼稚園とか、学校とかは、どうしたら早期発見に至ってくれるのかとい う、そこのところをもう少し考えないといけないんじゃないかなと思います。 ○柏女委員長 いかがでしょうか。1回目かに津崎委員が、幅広い機関に児童相談の調査に協力する ような義務をつけるようなことも検討したらどうかというような御発言をされていたよ うに記憶していますけれども、その辺はどうですか。 ○津崎委員 調査の協力をしてほしいという趣旨は、どちらかというと守秘義務、個人情報の保護 との関係で、何らかの虐待の懸念がある子どもを発見したときに、例えば相談所が調査 ということで、具体的な事実確認のデータを集めに行ったときに、それぞれの機関の個 人情報保護の思いとの関係で、なかなか情報を提供してもらいにくいということが実務 の中で生じ出している。 したがって、虐待ということに関して情報提供であるとか、支援に関してもそうです けれども、何らかの協力を促進するような方向性がある方がいいのではないかというこ とです。 発見を更に強化していくためには、実際の実務では各機関ごとのマニュアルなんか が、相当みな工夫しだしておりまして、教育は教育サイドのマニュアル、保健所は保健 所サイドのマニュアル、あるいは保育所は保育所サイドのマニュアルの中で、発見の重 要さというのは、触れられていたり、発見後どういうふうにそれぞれの機関で動いたら いいのかということも、盛り込まれたりしていますので、とりあえずはそういう実務に 関わって、それぞれの機関がどう動けばいいのか、あるいはどう対応するべきかという ふうな知識を普及していく作業というのをもう少し進めていくということが実際的では ないかと。 そして、例えば機関連携のネット、市町村レベルでのネットワークというのが強調さ れていますが、そういう機関連携が実際的に動き出すと、当然こういうケースはこうい うふうにつなぐ、こういう援助につながるんだというのが、目に見えてきますから、そ ういう意味でもそういう実際的な活動の中で意識が高まっていくという面もあるので、 いきなり罰則という形で締め付けるよりは、そういう実効性の援助を実践していく中で それぞれの発見機能を高めていくということの方がより実際的ではないかというふうに 思っているところです。 ○柏女委員長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。 ○奥山委員 マニュアルはかなり行き渡ってきているんですけれども、保育園なんかおかしいと 思っても、なかなかその先にうまくネットにつなげること自体が難しいというところも あります。保育園には保育園なりの難しさというのがあると聞いています。どう制度と して手当をすれば、もっと発見しやすくなる、あるいは発見した後がやりやすくなると いうようなことを、もう少し検討してもいいのではないかと思います。 津崎先生おっしゃるように、私も義務を罰則付きというのが一番いいとは思ってない んですけれども、どういうところに一番問題があって、どうすればよいのかというのを 検討していく課題ととらえることが大切だと思います。 ○柏女委員長 ありがとうございます。それぞれを聞いていて、第1、第2、第3のチームから、必 ず市町村のネットワークの重要性というようなことが出ております。それから、市町村 の役割強化ということが出ておりますので、これをどのように制度的に位置づけていく のか、虐待防止ネットワークというものをどう制度的に位置づけていくのか、そこにも かなり絡んでくることではないかというふうに思いますので、児童虐待防止全体の取り 組みの中で市町村の位置づけをどうするのか、そしてネットワークの位置づけをどうす るのか、関係機関の位置づけをどうするのか、これはかなり検討していかなければいけ ない、大きな課題ではないかというふうに思っております。 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。 ○西澤委員 こんな非常にベーシックなことを、こんなところに持ち出すのは怒られるかもしれな いけれども、通告を促進するという議論の中で、例えば通告のフォーマットとか、正式 なそういうものというのはつくっていく必要がないのか、つまり時々発生するのは保育 所側は通告したつもりでも、児童相談所は相談だったということで対応が遅れたりとい うことも聞いていますし、その辺で例えばアメリカ、イギリスなど見ると、可及的に速 やかに電話による通告をして、48時間以内に書面よる通告をしなさいということで、そ の書面もそれぞれ州法によって決まっているというような状況でありますので、そんな に難しいものをつくれとは思いませんけれども、その辺は統一しておいた方が、そうい ったものがそごがなくていいのか、もしくはそういうことでやってしまうと、逆に通告 を抑えてしまうことになるのか、その辺が微妙なところだとは思うんですけれども、議 論は一定すべきではないかという気がします。 ○柏女委員長 私も確かに、通告したつもりだったけれども、児相は相談として聞いていたというよ うな、そこで隘路が生じてしまったというようなこともあります。そういう意味では、 全国統一のフォーマットにすべきかどうか、これはまたいろいろあるかもしれませんけ れども、それらについては一定の考え方を整理しておくということは大事なことではな いかと思います。 どうぞ。 ○奥山委員 もう一つ、防止法の見直しという観点から1つ付け加えると、免責のところをどうい うふうに入れていくのかは、大きな問題としてあるんじゃないかと思います。通告が間 違いであったときに罰せられないという、故意にやった場合は別ですけれども、そうい うところをどういうふうに入れていくのかというのも、本来必要な問題ではないかと思 います。 ○柏女委員長 そこは、何か議論はございましたでしょうか。 ○津崎委員 通告に関して、間違った通告の免責の問題は、かなり以前から話題になっている部分 で、論議の中でも多少出ていたのではないかというふうに、記憶がもう一つ定かではな い部分もあるんですが、あったように思います。ただ、罰則規定ということについて は、必ずしも積極的な考えでないというのが一般的であったように思いますが、免責の 方については、やはり積極的に考えてもいいというふうなニュアンスがあったのではな いかと。ごめんなさい。私も論議の中でこの部分について明確に記憶してないので、ほ かの方でいかがですか。 ○才村委員 そうですね。具体的には議論はなかったですかね。たしかなかったように思います。 ○柏女委員長 吉田先生、どうですか。 ○吉田委員 免責の点について、深く議論したという記憶は、私も余りありません。私の発言とし て申し上げたのは、免責ではなくて通告に関しては、現在児童虐待を発見した者となっ ている部分を、児童虐待と認められる児童を発見したということで、それほど厳格な児 童虐待の発見としなくてもよろしいのではないかという、一種合理的な疑いがあれば通 告できるものとするというふうにしてはいかがでしょうかということを、申し上げたつ もりはあります。 免責については、従来から解釈で当然だからということで来ておりますけれども、そ れだったら明文化してもいいじゃないかという議論と両方あるわけで、可能であれば私 も後者の方がより安心して通告できるのでありますので、そういうのがあってもよろし いのかなというふうに思っています。 ただ、通告に関しては、法律上の義務としてなされているし、虐待防止法ができたと きも、各省通知ができて、守秘義務があるから通告できないんだという議論はもう通用 しなくなっているはずですが、しかしさまざまな場面でまだそういう声が聞こえてきて いる。これは、決してその事実を知らない。守秘義務が免除されるということを知らな いわけではなくて、何らかの理由から通告しにくい事情があるんだろうと思います。例 えば、保護者との関係があって、それを悪化させたくないがために通告したくないと か。通告の問題のもう1つは先ほど津崎委員がおっしゃったような、情報の扱いだと思 うんです。個人情報をどう目的外に利用できるのかというようなことを一つクリアでき なければいけないでしょう。 それから、保護者との関係、悪化ということが予想される場合に、やはりそれをサポ ートするものがなければ、通告という形での協力はできないでしょうし、その後の連携 も難しいと思うんです。ですから、そこを更に調査なりをして、通告しない、または連 携しない原因をもっとはっきり明らかにする必要があるだろうと思っています。決して 通告しなくていいと思っているとか、通告すべきでないというのではなくて、通告した いんだけれどもできないという、その人たちが安心して通告できるような、そういうも のをつる必要があるだろうと思っています。 ○柏女委員長 ありがとうございました。どうぞ。 ○柳田委員 今おっしゃいましたように、一番身近にいる保母さんとか、学校の担任、養護教諭、 この辺りの方が通告しようと思っても、やはり保護者との関係、あるいは教育委員会と の関係、そういうところから何か間違った方向に問題が発生した場合に、非常に通告し にくいと、一番気付きやすいところが非常に難しい状態にある。ですから、この辺の啓 発をいかにするかということが非常に大事ではないかと思います。 ○西澤委員 それに関連して、これは今回の議論とは無関係ですが、今の話の中で、今、文部科学 省の方もその辺の問題があるということを認識されていて、科研で学校からの通告を妨 げている要因について、そういう分析研究に入っていますので、その辺の成果も併せて 考えられるといいかなというふうに思います。 ○柏女委員長 では、奥山委員、どうぞ。 ○奥山委員 さっき言おうとしたのは、吉田委員の方が出たことと同じことだったのです。「発見 した者」と書いてあるところで、かなりブレーキがかかっているところがあるだろうと 思うんです。特に私の周りの医者の話を聞くと、やはり発見って書かれていると、かな り確信がないと言ってはいけないという感じに取られています。多分ほかの国の場合は サスペクトだと思うんです。今、虐待があると認められたとおっしゃったんですけれど も、法律用語なのでそれを「疑い」という意味に取っていいんですか。その辺だけはっ きり。 ○吉田委員 リーゾナブル・サスペクトと。 ○奥山委員 リーゾナブル・サスペクトというんですか、わかりました。 ○西澤委員 「リーゾナブル・サスペクト」を「認められた場合」と訳すのですか。 ○柏女委員長 その辺は、現在の児童虐待防止法の解釈の問題等もありますので、少し事務局の方に 預らせていただいて、今どういう現行法の解釈かと、それではどういう問題が生じてい るのか、今、御指摘があった項目を踏まえて、どういう表現がいいのか少し考えさせて いただければと思います。 ほかには、いかがでしょうか。どうぞ。 ○吉田委員 児童相談所の行政権限、裁判所の関与で、ここの部会で一番議論となった点で、こう いう形で成果が得られたというのは、私自身も大変うれしく思っております。 ただ、今後の検討課題というのが、残されておりますけれども、例えば3つ目の点に あります、条件付きの承認の点とか、4つ目の保全処分の点とかありますけれども、裁 判所が関与することによって、児童相談所からの親指導を効果的に行うことができると か、親がそれに従うことが期待されるのとかありますけれども、これは私が前から言っ ているんですけれども、法制度として児童相談所が仕事しやくすなるというのは、それ は一面でわかりますが、ただもう一面ではこのハードなケースで言えば、児童相談所と 親との関係調整をどうしていくかと、そしてそれを次の援助にどうつなげていくかとい うことが目的でありまして、そうなってくると単に児童相談所が行おうとすることに対 して、裁判所がお墨付きを与えるという意味合いであってはいけないだろうと思うんで す。 したがいまして、条件付きの承認なり保全処分なりというときには、そうした関係調 整に役立つような内容なり運用なりということが期待されるのではないかと思っており ます。 具体的に、どういう制度になっていくのかというのは、まだ検討の余地がたくさんあ ると思うんですけれども、方向としては私はそういう内容を期待しているということで す。 ○柏女委員長 ありがとうございました。裁判所の関与関係で御意見が出ましたけれども、ほかに何 かございますでしょうか。 どうぞ。青木委員。 ○青木委員 今の点なんですが、何度も繰り返し申し上げているように、家庭裁判所は司法機関と して中立の判断機関ですから、行政機関の措置に対してもとよりお墨付きを与える機関 ではありませんで、それは制度改正により司法が関与するとなれば、中立の立場で要件 を審査し、判断するということになろうかと思います。 条件付きではなくて、期限付きの承認ですね。別に新聞報道にこだわるわけではない んですが、「保護期間家裁が判断」という見出しは、いかにも個別事案について個別的 に家裁が承認期間を決めるかのように受け取られるんですが、第2グループの議論の中 でもそこは議論があって、個別的にやった方がいいという意見もありましたが、裁判所 側としてはある程度の期間で一律にしないと、その段階での要件の設定や判断が非常に 困難になるという意見を申し上げたところです。 それから、新しい制度化を考える場合には、やはりその要件と効果をどうしても詰め なければいけないという点については、重ねて御理解をいただきたいというふうに思い ます。 以上です。 ○柏女委員長 ありがとうございました。裁判所としての関与の基本的な姿勢等について、また御意 見をいただきましたし、またこれはかなり実務的に内容要件、ここにも書いてあります けれども、詰めていかないとならない分野ということで、こういう吉田委員の意見も あったということを踏まえて、事務方同士で議論を詰めていただくような形になると思 いますけれども、是非ここでの意見も参考にしていただければというふうに思います。 そのほかにございますでしょうか。どうぞ。 ○吉田委員 あと早期発見、介入のところで、やはり大きな問題になりました、一時保護の点です けれども、これは今後の課題ということになりまして、その制度の必要性なり、要件を どう立てるか大変難しいという御意見もありまして、今回こういう形になったのかと思 いますけれども、ただ私も繰り返しお話しているように、こういう立入なり一時保護と いうのが一面では人権の問題に関わることであるということは、きっちり押さえておく 必要があるだろうと思います。これに対して、何ら司法的な関与がなしでよろしいとい うことになるかというと、これはやはり権利条約の条文と抵触する恐れがあるというわ けです。 諸外国の例を見ても、この辺り期間を定めるということと、節目ごとの裁判所関与と いうのは、先進国の多くがそういう方法を取っている。 日本の場合に、やはりそうした司法の制度に対する要請が強く出てきていないという のは、虐待する親の側からの反撃が、まだ社会的に見て少ないということではないかと 思うんです。親の側から、こうした一時保護や立入に対する不満というのが、行政不服 審査なりで出たり、また場合によっては損害賠償という形では出ておりますけれども、 まだまだ少数で、社会的な力になっていないと。これは決して必要ないからそうしない んじゃなくて、力としてまだでき上がっていないから、そういう要請にまで至っていな いということで、今後これは非常に大きな課題として委員会としても押さえておくべき であろうというふうに思っております。 ○柏女委員長 ありがとうございます。 その他の意見、いかがでしょうか。 ○津崎委員 今の吉田委員がおっしゃったような論議もいろいろあるわけですが、実務なり現状を 見たときに、当面の緊急的な課題をどうクリアしていくのかということにウェートを置 いて、とりあえずは今の状況で緊急性が高い部分について、何らかの進展をさせようと いうことで、ポイントを絞った制度の検討を行ったという結果もあるわけです。その部 分が今度、実務の中で具体的に制度として出てきたときに、どういうようなことが起こ るのかというふうなことも踏まえて、次の課題についてはその現状も踏まえた上での整 備を更に検討していくということが必要ではないかと。 それと、司法の役割もさることながら行政サイドでの、例えば第三者機関、あるいは 代理人制度等の調整機能が可能になってくれば、そこでまた、解決をしていくような問 題もいろいろあるように思いますので、その辺の総合的な状況の整備と運用の推移を見 ながらの検討の課題かというふうにも思いますので、そういうこととして皆様方も承知 をいただければというふうに思う次第です。 ○柏女委員長 ありがとうございます。 ほかにはいかがでしょうか。 ○西澤委員 またベーシックなことですが、ちょっと散りばめられてはいるんですが、第3の方で も施設が足りているのか足りていないのかという議論があったと思うんですけれども、 それと同じように児童相談所が果たして現状のままで、勿論、スリム化を図るとか児童 福祉司の数を増やすというのは出てきていますけれども、一体どれぐらいの配置数が必 要になるんだみたいなところも今後の大きな課題だろうと思うんですが、もっと十分に 検討していく必要があるのではないかというふうに思います。でないと、やはりバーン アウトが続出しているという現状があるということでしょう。 ○柏女委員長 今の御意見、ごもっともだと思います。私、最初に申し上げましたように、この児童 部会で児童相談所の在り方というのを集中的に5月末以降取り上げることになっており ますので、ここで出た議論も必ず児童部会の方にお伝えをした上で、今の御意見も含め て、その上で児童相談所の在り方ということについて議論を進めていただこうというふ うに考えております。そういうことで、御了解をいただければと思います。 ほかにはいかがでしょうか。 よろしいでしょうか。この部分、本当にワーキングチームの早期発見・早期対応チー ム、何回やりましたでしょうか。4回ぐらい御議論をいただきまして、その間、関係省 庁に事務的な調整ということもございまして、本当に真剣な御議論をいただきましたこ とを感謝を申し上げたいと思います。 それでは、第3チームの方に移りまして、保護・支援等に関する検討チームでの協議 概要についての報告についての御意見をいただければと思います。 川名委員、どうぞ。 ○川名委員 先ほどの委員長のお話だと、3つの緊急度の高い順から言うと、ここの報告では余り 高くない方に入っているのかしらと思うんですが、児童福祉施設、特に児童養護施設な んですが、今、施設にいる子どもの半分ぐらいが虐待を受けた子どもで、都市部では7 割8割を占めているわけです。そういう実態を見ますと、早期発見されて処遇された子 どもがその先どういう暮らしをしているかというのは、実はとても緊急度の高いこと で、今も1つ、民事訴訟なんですが、岡山県の中部にある都市で児童養護施設なんです が、そこの子どもが長年にわたって繰り返し虐待を受け、強制労働をさせられていたと いうことがわかりまして、民事訴訟が間もなく始まります。 3万人ぐらいの子どもが今施設にいるわけですが、本当に別世界で、普通の人がそこ でどういう暮しをしているかというのを知ることができないわけです。2000年度から、 厚生労働省ももう少し小規模化・地域化ということで、グループホームに予算を、補助 を付けるようになってますけれども、まだ余りに少ない。よくやっている施設もあるけ れども、最近4月にできたばかりのグループホームに取材に行ったんですが、15歳の男 の子、高校生ですが、生まれて初めて、自分で切符を買って電車に乗ったというわけで す。そこはとてもいい施設だったんですが、それでもどこかへ出かけるときは貸し切り バスで行くとか、そういうことで、普通に家庭で暮らしていれば、当然経験するような ことをちっともしてないわけです。例えば宅配便を受け取って判こを押すとか、集金の 人が来たときにどう対応するとか、えっと思うようなことがする機会がない。 こういう状態で子どもたちの自立が、この児童虐待防止法のもともとのねらいも、子 どもたちが家庭でちゃんと育てられればいいけれども、そうできなかったときは少しで も傷を軽減して、よい社会人になって自立していくというのがねらいであるとすれば、 ずっと続いてきている施設中心の処遇というのがいいのかどうかということについて、 もう少し私たちの委員会の方から、社会的養護の在り方ですか、そっちの方へむしろ、 この実態やこうあるべきではないかというようなことを強く訴えていった方がいいので はないかと思うんです。 欧米の先進国では、施設中心というのはもう随分前に終わって、里親とかグループホ ームが中心になって、施設はあっても、もっとバックアップ的に親がどのくらい変わっ てきたかとか、もっといろんなことをしてますね。そういうのを私たちの委員会とし て、もう少し強く打ち出していければいいのにと思うんです。 ○柏女委員長 ありがとうございます。貴重な御意見いただきました。 ○松原副委員長 ありがとうございました。 先ほど、8点にわたって御報告しましたけれども、この施設の在り方というのはむし ろ、在宅での支援と2つ並んで私たち大きな関心を持って議論をしてきているところで すし、その中でいかに幅広く議論する以上に、ここはもっときちっと議論をすべきだ と、検討すべきだという意図があって、この社会的養護の在り方検討委員会、こういう ものをつくっていただきたいというような発信もしてきましたし、これができて設置さ れましたので、川名委員がおっしゃったように私ども、この概要しかここには出してい ませんけれども、各委員がおっしゃったようなことも含めてできれば今度の在り方委員 会、社会的養護の在り方に関する専門委員会に、このチームの中で出てきたさまざまな 意見については発信を、これは委員になられるか、あるいは事務局を通じてしていって いただきたいと思いますし、あえて言えば、川名委員がおっしゃった個々の問題ではな くて施設の在り方ということについては、私たちも非常に関心を持って議論をしたとい うことはお伝えできると思います。 ○西澤委員 ごめんなさい、関連事項だけ。 勿論、川名先生に言われたような内容というのは、我々常に議論の中心でございまし て、実際に施設現場で働いている者も半数ぐらい混じっておりますので、それできめ細 かいケア・治療を可能とする規模の小さな施設というような表現になって、ここに表わ れてきているんだろうと思います。 ただ、いきなり移行というのは、さまざまな問題が絡んでくるので難しいということ もあって、全体的な方向性としてはそうなんだけれど、どこまでそれを詰めていくのに 時間がかかるのかというようなことは今後の検討だろうと思います。 それと、里親のことは常に話題にはなるんですが、里親の制度というのはこの文章の 中にもありますように、むしろ今減ってきている。里親委託を受けている子どもが、10 年前が10%ぐらいだったのが今5%ぐらいに減ってきているということで、その辺の全 く別の文脈で、里親制度を充実していくためにはどんなことを考えなければいけないの かというような分析をしていかなければいけないのではないか。なぜ、欧米先進国みた いに里親が増えないのかという辺りは違う文脈でまた検討する必要があるんだというこ とを、この文章の中には入れ込んであるように思ってます。 ○柏女委員長 関連して。どうぞ。 ○柳田委員 里親制度ですが、私の地元では全国でも多い方なんですけれども、例えば、2人も預 かっていらっしゃる方もいらっしゃるんです。ですが、だんだん減ってきています。都 会の方ではなおさら里親として預かる人は少なくなっているのではないかと思いますけ れども、これをどうするかという問題、それからグループホームの問題、この案は非常 に有効だと思いますが、情緒障害短期治療施設、いわゆる情短施設です。医学的介入を 必要とするようなものであれば、こういうところできちんとして、そして在宅へ帰すと いうことが必要でしょうし、そのためには47都道府県のうちに、今、情短施設があるの は22施設ぐらいしか。 ○西澤委員 24だと思います。 ○柳田委員 24ですか。24施設ぐらいだそうです。ですから、この辺りをもう少し国の方で積極的 に進めていただいて、整備していただきたいと思っています。 以上です。 ○柏女委員長 ありがとうございます。 加賀美委員、どうぞ。 ○加賀美委員 川名委員の方から厳しい御指摘があったというか、事例を出して頂いたわけですけれ ども、私も児童養護施設に関わる一員として非常に残念に思っておりまして、一部の施 設の中にそういう実態があるということも事実でありますし、そのことも裏を返せば、 児童養護施設そのものが、戦後処理としての孤児対策の領域から余り変わらないところ できてしまった。そういうスタイルをずっと持ってきてしまったという、日本の制度そ のものの問題というふうなこともあって、その間に大変重い課題を持った子どもたち が、高度経済成長期以降に集中的に養護施設に入所してきて、いわゆる、処遇を困難と する状態がずっと続いてきたということと無関係ではないということも、是非理解して いただきたいところであります。そういう意味で、やっとここへきて虐待ということが 顕在化をしたことで、児童養護施設の在り方が深く問われていくという事態になったん だろうというふうに思いますし、この第3グループで議論をしてきたところは、子ども たちの養育の個別化の問題と施設の小規模化の問題が集中的に議論をされてきたところ です。又、そのことが社会養護の在り方委員会に結び付き、将来の児童養護施設と日本 の児童福祉施設の体系の問題も、これから議論をされていかなければいけないだろうと 思います。 ただ、多くの社会資本整備の要ることですし、重い課題ではありますけれども、何と してでも、このベーシックなセーフティーネットとしての児童養護施設等の在り方を変 えるということが、日本の未来につながることだという理解の中で、是非社会的養護の 在り方委員会の中身も詰めていってほしいし、これからの制度改革へ動いていってほし いと、こう願っておるところでございます。 ○柏女委員長 ありがとうございます。 才村委員、どうぞ。 ○才村委員 先ほど、里親の話が出ましたけれども、我が国は本当に、里親制度が低調であると言 わざるを得ないし、そこがどうしてなのかというのは、是非研究の成果に期待したいと いうふうに思います。 ただ、いずれにしましても、やはり我が国の場合、今までは施設か里親かということ で、実際に里親委託になると、すべての負担が里親さんの肩にかかっている。児童相談 所も施設もバックアップしたくても、そこまでなかなか手が回らないという状況で、実 態としては、本当にすべて里親がこなしてきたということがあります。 ところが、今後、特に被虐待児等、非常に専門的な対応が必要な子どもの養育につい ては、とてもじゃないけれども里親だけで対応できないと思うんですね。したがって、 従来の施設か里親かという図式ではなくて、施設も児童相談所も里親も三者が一体と なって、一人ひとりの子どもを見ていくという、関係者の発想の転換というのが要ると 思うんですね。 昨年度、専門里親ができたのは画期的ではありますけれどもバックアップにおいて、 まだまだいろいろと課題を抱えているのではないか。例えば1つはレスパイトでありま すけれども、現行制度ではレスパイトって年間トータル1週間なんです。したがって何 かもっと、例えば週末だけ里親が子どもを引き取って、日ごろは施設から学校に通わせ るとか、随分、柔軟な運用があってもいいと思うんですけれども、いずれにしましても 抜本的なバックアップ体制の強化ということを、是非お願いしたいというふうに思いま す。 ○柏女委員長 津崎委員、どうぞ。 ○津崎委員 今の御発言とちょっと関連するんですが、施設の在り方は方向として小規模化という ことを打ち出しておられます。これは大規模の中では、なかなか個別に対応しにくい。 生活の単位を小さくするという方向性だと思うんですが、そういう意味では、施設側か らグループホームに近付くための施策の誘導が要るんだろうと思いますし、加えて、里 親の方もいろいろ促進の作業が必要なんですが、余力のある方は、里親からグループホ ーム、里親型のグループホームということを場合によっては促進するような方向性とい うことがあってもいいと思います。その意味では、施設側からのグループホーム、里親 側からのグループホーム、そういうことの拡充も必要だと思います。 実は、障害者施策を見てみますと、かなりグループホームが施策として拡充している んです。ところが児童養護の部分は、必ずしも障害者への施策と同じレベルでグループ ホームが拡充してないんです。そういう意味では、障害者施策の中のグループホームの 在り方、それを促進させていったいろんな要素を児童養護の分野にも適用するような、 そういう施策の方向性というものがあっていいと思うんです。 特に、例えば公営住宅を使ってグループホームを活性化できないかという話を個別に したときに、障害は認められているけれども児童養護で公営住宅を活用するというの は、目的外使用になってしまって、すぐに適用できないというふうなことも、ちょっと お聞きしたりしているんです。この辺は、細かい部分よくわからないんですが、公営住 宅をグループホームを促進するための1つの資源として有効に活用するというようなこ とがあってもいいと思いますので、場合によっては省庁を超えた協力関係の中で施策そ のものを拡充していく方向というのが、もっと検討されてもいいのかというふうに考え ているところです。 ○柏女委員長 貴重な提言だと思います。 田中委員、どうぞ。 ○田中委員 済みません、ちょっと話題を変えてもよろしいでしょうか。今の養護施設、里親の線 じゃなくてよろしいでしょうか。 ○柏女委員長 川名委員の御発言をきっかけに、皆さん、やはり児童養護の問題というのは熱い思い を持っておりますので。私も週末、児童養護施設で過ごしておりましたが、ここでの御 意見を、ここで議論できないことが辛いという御意見もよくわかるのですけれども、次 のステップにつなげるということで、今日いただいたような御意見を社会的養護の在り 方委員会の方に反映をしていただくということに、是非お願いをしたいというふうに思 います。 田中委員、ちょっとお待ちをいただいて。 ○奥山委員 今の件で。 ○柏女委員長 はい、今の件で。済みません。 ○奥山委員 今の件です。個々いろいろなことは、具体的な取り組みに関するチームの意見・提案 というところに私たちが相当議論したことが非常に簡単に書かれています。それほどみ んなの思いがずれていないんです。この点に関しては。 だから、それを是非、次の委員会につなげていただけるよう事務局の方にもお願いし たいというふうに思います。そこで私が最初に言ったこととつながるんですけれども、 非常に重要なポイントとして、子どもの人権ということを絶対に忘れてはいけないと思 うんです。要するに、第1も第2も第3のグループでも人権は関わるんだと言ったの は、やはりその子の人権が必ず守られているということに、みんなが自信を持てるよう な制度をつくらなければいけないと思うのです。その際、この非常に重要な理念は絶対 忘れてはいけないんだろうと思います。 人権の中には、教育を受ける権利とか医療を受ける権利とか、すべての権利が入って くるはずです。人権を守るということはきちっと頭に置いて考えていかなければいけな いというふうに思います。 ○加賀美委員 子どもの権利の問題が出ましたので。 第1グループのところで、子どもの権利の明確化ということを挙げてあります。むし ろ、その明確化ということは事実でありますが、まず明文化だろうと思いますので、法 律改正に当たっては、子どもの権利という言葉をどうやって載せるかということが第一 で、子どもが大人の次いでの存在ではないということを明確にすることを、まず、社会 全体の人々が、まず受け止めるということが第1歩だというふうに私は思いますので、 よろしくお願いします。 ○柏女委員長 ありがとうございます。 それでは、この熱い思いも、次の社会的養護の在り方に関する委員会の方に受け継ぐ ということを約束をさせていただきまして、田中委員の御発言の方に移りたいと思いま す。 ○田中委員 済みません。水を差してしまいまして。 医療機関の機能システムのところなんですが、その前のところでアセスメントセンタ ーを創設するというような文言があるので、こちらでも何かそういう治療センターを創 設するというような文言を入れてもよろしいのではないかというような部分があります し、トレーニングあるいは研修を伴うというか、研修機能を持つというようなものがあ ればよろしいのではないかというふうに思っております。 それと初歩的なことなんですが、地域に児童精神科医の専門医が少ないことにかんが み、小児科医の投入が必要ということになると、児童精神科医は増えないのではないか というふうに思いまして、地域に児童精神科医の専門医をより促進するような、何か言 葉が入っていただくと、私たちも児童精神科医は心強くなりますので、それに加えて、 小児科医との連携をどうするかというのも、そういうトレーニングセンターなどをやっ ていただければというふうに思っております。 以上です。 ○柏女委員長 ありがとうございます。是非、この件では、奥山委員。 ○奥山委員 済みません。ここをちゃんとチェックを入れなかった私がいけないんですが、きっ と。 これは、必ずしも児童精神科医が少ないからというだけではなくて、やはり一番身近 で体の問題も扱える小児科医の重要性ということが一つあると思うんです。児童精神科 医は当然、増えなければいけないんですけれども、今の数からいって、すべてに足りる ほどは一気に増えないだろうと思います。もちろん増やさなければいけないのは根底と してあると思うんですけれども。それが一気に何百倍もに増えるというのは、ちょっと 無理な話かもしれないと思います。 ○田中委員 確かに、低年齢のお子さんの場合は、小児科医が対応するのが非常によろしいと思う んですが、幾つかのもの、性的虐待や青年思春期で、いわゆるサバイバーと呼ばれてい る方などが取り組みの方向性の精神学的な介入が必要なというようなところを武器にし ますと、児童精神科医が今後より養成されるような方向になると、児童精神科医の仲間 としては心強くなるので、というような意味で伝えました。 ○柳田委員 さっきから出ておりますように、児童精神科医が増えるということは確かに理想では ありますが、現在、厚生科学研究の方で、まず産婦人科、小児科をいかに育てるかの議 論がされています。その数が少ないわけです。3年がかりで今、進められております。 小児科医会、小児科学会辺りが、心の問題に対応する研修会というのは盛んにやってお りまして、心の相談医の資格制度ということをやっております。前におっしゃいました ように、精神科医が一気に増えるというのはなかなか難しい問題だろうと思いますが、 そういう方向にいけばよいとは思っております。 以上です。 ○奥山委員 そういう意味で、そこに小児科と精神科の連携ということがうたわれていて、やはり 小児科だけでは、さっきおっしゃったように性的虐待を受けて思春期になった子どもと いうのは、とてもとても扱いきれない部分がありますから、そこの連携がうまくいくよ うな誘導というのは必要だろうというふうに思います。 ○柏女委員長 よろしいでしょうか。 大分、時間も詰まってまいりましたけれども、この第3チーム、保護・支援チームの 御意見に対して何かございますでしょうか。 ○吉田委員 2つあるんですけれども、1つはこの第3の方で保護・支援の目的として、家族再統 合、親の治療というものが出てきてますけれども、これは是非、実現してほしいという のが一方である一方で、もう一つは、どうしても家族機能の回復不可能というケースも あるだろうというときに、こうした再統合に余り引っ張られ過ぎると、かえって子ども にとってどうなんだろうか。 アメリカの児童福祉、児童養護の歴史を見ても、常に入れているわけです。いわゆる ASFAですか。あれ何かは両建てでいこうという経験などを見ますと、もう一方で は、こうした家族機能の回復が難しい、家庭復帰が難しい子どもに対する見切りという ふうにおっしゃった方がありますけれども、それを含めた社会的養護の在り方の検討と いうことが、もう一つあってもよろしいのではないかというふうに思うんです。 その中で、ここでは出てませんけれども権利条約では、そうした社会的養護の1つと して、養子縁組というのが出ている。この辺り、現在の里親よりももっと難しいかもし れませんけれども、資源の1つとして考えてよろしいのではないかと。これが1つで す。 それから、社会的養護の在り方と関連するし、第2の早期発見、対応と絡むのですけ れども、ここでは当然対象外になっておりましたけれども、遠い将来は民法の親権とい う問題もいずれ触れざるを得ない。今後の課題もまた、その前にあるかもしれませんけ れども報告書の中に、そうした親権というものを見直してもよろしいのではないかとい うような一文が入るというのも、この委員会として提言してはどうかということです。 ○柏女委員長 ありがとうございます。 ○西澤委員 決して我々も、何が何でも家族の再統合だと考えているわけではありません。むし ろ、子どもと家族が再び一緒に生活できないようなケースが多いと実感しています。お そらく事務局サイドでは、こうした現状を考慮して「家族機能再生」という表現をした のではないかと思います。この「家族機能再生」とは、必ずしも「家族再統合」を意味 するわけじゃないように思えます。一緒に住むということはなくても、でも親として機 能する。子どもは親を意識しながら別に暮らす。そういったところで、3つ目の自立を 促していくための支援を充実していくという、必ずしもすべてが金科玉条のごとく再統 合なんだというのではなくて、それぞれに応じたケアの仕方というものを考えて、家族 であっても別々に暮らすということを想定しているというふうに私は理解をしていま す。 ○加賀美委員 同様でありまして、そのことも議論をしてまいりまして、私どもも児童養護施設の未 来像で家族の再建という言葉をあえて使っていまして、家族機能の再生といったことを 世代を超えて、大人になったときに、親になったときに、この家族機能がきちっと芽生 えるというか、そういう養育のプログラムを社会的養護の中の仕組みとして考えてい く。そういったことも大事だと考えております。 勿論、養子縁組等で、そういう子どもたちの家族の機能を再生するという考え方も勿 論あるわけですけれども、児童養護施設等の養育の場においても、そういうプログラム を考えていくべきだと、そんなふうに思っております。 ○柏女委員長 ありがとうございます。 ○西澤委員 これはさっき加賀美委員からも御指摘のあった施設内虐待の問題で、これも社会的養 護のことで突いていかなければいけないと思うんです。やはり、かなりいろんなところ で、訴訟だとか、社会問題化しつつあるところだとかいろいろありまして、ただ、行政 の監督・指導というのが、どうしても腰が引けてしまうというか、その辺の施設内虐待 の問題に対しての取り組みの方法論というか、そういったことをもうちょっときちっと 定めておくべきではないか。 ある児童相談所に施設内虐待の相談がいっても、「その問題を公式に取り扱うと、そ の当事者の子どもがさらにひどい仕打ちを受けてしまうのでは」といった懸念から、な かなか対策が講じられないということが実際に起こっています。そのあたりの手立てを 整理していくということを、今後の委員会の課題として位置付けてておく必要があるよ うに思います。 ○柏女委員長 委員会というのは、こちらの。 ○西澤委員 社会的擁護に関する専門委員会の方で。 ○加賀美委員 それと関連して。 そこで子どもの未成年後見というようなところの仕組みも絡むんでしょうけれども、 何らかの形で法律家がバックアップして、そういう施設内虐待等に絡む問題について子 どもの権利を擁護する仕組みを日本社会の中でつくっていく必要があるんだろう。そん なふうに思ってはいます。 ○柏女委員長 ありがとうございます。 施設内虐待の問題、今、話題に上りましたけれども、これも社会的養護の仕組み全体 にわたる構造的な問題から発生しているというふうなことを言えないわけでもないわけ でありますし、こうした点についても社会的養護の在り方委員会として根本的なところ も御議論をしていただけるとありがたいというふうに思います。 この第3チームのところについては、よろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○柏女委員長 ありがとうございます。それでは、もう一度全体に戻っていただきまして、最初の資 料1のところで第1チーム、第2チーム、第3チームを通じて、そこで表われていた言 わばだんごのくしといいましょうか、そのくしに当たる部分を4つに事務局の方で御用 意いただき、そして奥山委員の方から、あるいはもう一人の委員がいらっしゃったと思 いますが、この人権養護の視点、あるいは人権の視点ということを基本的な理念として 据えなければだめだというような御意見をいただきました。 ほかに、何かお気づきになられたことがありましたら、短い時間ですけれども、御意 見をいただければと思います。 ○加賀美委員 くし刺しのところで確認をしておきたいことは、虐待という文言の定義の問題を、今 さら虐待防止法なるものを変えるというわけにはいきません。虐待という言葉がどうい う意味合いを持っているかということを、もう少し国民にわかりやすく定義づけをして いくという方向を明確にしていく意味で、ここの視点のところにも是非、何らかの形で そういうことを取り入れて、虐待ということの定義の問題も明確にしようというような ことが入れられるといいかというふうに思いました。 ○奥山委員 確かに、今の虐待防止法だと定義というところですぐ、それぞれの虐待に入ってしま ってますので、それがとてもわかりづらさになっていると思うんです。 ちょっと細かい点なんですけれども、今、4つの虐待ということが明記されているん ですけれども、近年、国際的には「DV(ドメスティック・バイオレンス)の目撃」と いうのが、1つの項目になって入っていることが多いんです。それを心理的虐待の1つ ととらえるかどうかというのは議論のあるところですけれども、DVの目撃が虐待の一 つであるという意識が少ないので、なかなか対応がうまくいかないのだと思います。法 律の中に何らかの形で入れる必要があると思います。心理的虐待に入れるならその例と して入れるし、そうじゃないんなら1つ項目立てをして分けて入れるということが必要 だろうと思います。 ○西澤委員 DVの目撃は、心理的虐待の中に含めるのではなく、別の下位項目、つまり5番目の 分類にするほうがいいように思います。国際学会などで5番目の分類として「DVの目 撃」を入れたのはだから、心理的虐待は親の子どもに対する心理的加虐性がその中心的 な特徴であるのに対して、「DVの目撃」は必ずしもそういった要素を含んでいないか もしれないといったような議論があったと思います。 だから、そういう意味でも、日本でも「DVの目撃」を虐待の下位項目に含めるので あれば、そうした国際的な流を考えておく必要はあるように思います。さらに、5番目 の分類として位置付けられれば、児童相談所などの子どもに関わる機関が、DVの問題 に対してもう少し積極的に関わることが可能になるだろうとも思います。 ○加賀美委員 関連して。定義づけの問題というか、性的虐待のところについても親が与えてしま う、環境の問題、性的不適切な環境というような問題も、もう少し明確に入れてもいい のかというように思っておりますけれども、いかがですか。 ○奥山委員 それ以前の問題としては、法律を作るときにも「保護者から」というのが一番議論に なりました。やはり「保護者から」というだけではないということを明確にしていくべ きだろうと思いますけれども。 ○柏女委員長 いろんな虐待の定義についての御意見が出ておりますが、報告書の中でどの程度組み 込んでいけるのかどうかわかりませんが、あるいは、その虐待の定義の見直し等につい ても検討するという必要についての御意見があったというような形で取り上げていくこ とにもなるかもしれませんが。今の貴重な御意見は、参考にさせていただきたいと思い ます。 ほかにはございますでしょうか。この4つの、これは別に、これが一人歩きをしてい くというものではなくて、全体の報告書をとりまとめる際の基本的な精神になるものと いうことになるかと思いますので、一応、御承認をいただければと思いますが、よろ しゅうございますでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○柏女委員長 勿論、今、これに加えて御指摘のあった人権養護の視点とか、人権の視点、それらを 報告書の中で生かしていくということは当然のことであります。 あと、もう時間がなくなってまいりましたが、そろそろ予定の時間になりましたけれ ども、何かこれだけはという御意見、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。 オブザーバーで関係省庁の方、おいでいただいておりますけれども、何か補足あるい は御意見ございましたらお願いしたいと思います。 よろしいでしょうか。 事務局の方ではいかがでしょうか。今後の日程は別にして。よろしいでしょうか。 課長さん、途中から参加していただいておりますけれども、何か。よろしゅうござい ますでしょうか。 それでは、今日の議論はここで終わらせていただきたいと思います。これまでの専門 委員会、あるいは各検討会で議論したものと、今日もさまざまな御意見をいただきまし たので、それも事務局の方で整理をしていただきまして、次回にできれば報告書案とい う形で整えたものを、それについて御議論をさせていただきたいというふうに思います が、それでよろしゅうございますでしょうか。 それでは、そのようにさせていただきまして、できれば次回6月2日、たしかそうだ ったように思いますので、その前には皆さん方のところに報告書案をお送りをさせてい ただいて、そして短い時間になるかもしれませんが、ご覧いただいた上で次回を迎え る。こういうような形にさせていただきたいと思いますが、勝手に事務局の方に、そん なことを言ってしまってよろしかったでしょうか。 それでは、最後に事務局の方に次回の日程等についての御連絡をお願いをしたいと思 います。 ○事務局 次回は6月2日に予定しておりまして、時間は10時〜12時半、場所はこの同じ会場と いうことで予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○柏女委員長 それでは、今日の委員会をこれで終了とさせていただきます。 どうも、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。また次回 もよろしくお願いいたします。 (了) (照会先) 厚生労働省 雇用均等・児童家庭局総務課虐待防止対策室 調整係 03−5253−1111 (内線)7799